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大分前に書いた物が出てきた。 細部は違えど大筋はほぼ同じ。
◆Age15 Side:R
――――――夢を見る。 何度も、何度も。繰り返し。 壊れたカセットテープのように幾度も再生され、行っては帰り、進んでは戻る。 夢の中の自分は身動きがとれず、目の前で行われる光景から目を逸らすことも、耳を塞ぐことも出来ず、ただ…………。
――――――――――――ゆっくりと、堕ちていくだけ。
◆Age5 Side:C
―――季節は秋。 記憶都市ラナローグルで、始まりの鐘が鳴った。
(……何だろう。声がする) 深夜。彼は階下からする物音で目を覚ました。 眠たげに霞む視界をどうにかこじ開け、木製のベッドから降りる。 途端冷気が身を掠め、思わずベッドに戻ろうかと考えた。 ―――当然だ。まだ冬には遠いとはいえ、秋の夜は十分寒い。 考えている間にも声は止み、遠く扉が閉まる音が聞こえた。 彼は廊下へと繋がる扉とベッドでしばし視線を彷徨わせたが、結局は階下へと降りることに決めると、出来るだけ静かに廊下へと身を滑らせた。
「……ねえさん。どうしたの?」 「! 千早………」 突然投げかけられた声に、呆然と立ち尽くしていた人物は我に返り、ぎこちなく笑みをつくる。 自室よりは広い、暗いリビング―――確か今夜は新月だ―――に灯るのは、カンテラに入れた蝋燭の光のみ。 この暗闇の中では少しこころもとないが、無いよりはマシだ。 小さな光源が室内を照らし、同時にその場の人物をもあらわにする。 先程の問いは階段の手前、扉のないアーチ状の入り口に立った少年から発せられたものだろうか。 濃い鮮やかな青の髪に、子供特有の大きな丸い瞳が紺碧の輝きを放っている。 着ている服はこの街特有の動きやすい簡素なものだが、寝巻きの為か普段のものよりサイズは大きめのようだ。 よく見れば頬には真新しい絆創膏がつけられていて、やんちゃ盛りなことが見て取れる。 そんなまだ幼き少年―――千早というらしい―――の目に映るのは、年の離れた姉の姿。 雪のような青銀の髪に、深海の瞳。その表情は微笑みを浮かべてはいるが、悲しげで。 「ねえさん。どうしたの? だれかきてたの?」 答えが返ってこないことに苛立ったのか、それともいつもとは違う姉の様子に焦ったのか、千早がもう一度言葉を投げかける。 「………ううん。何でもないの」 けれど対する彼女の言葉は曖昧で。それでも揺れる瞳までは隠せない。 「…?」 緩やかに首を横へと振った姉に、誤魔化しとまではわからなくとも、千早は不思議そうに首を傾げるのだった。
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